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寄附金控除(所得税)・寄附金税額控除(住民税)

 公益性の高い寄附をした場合には、所得税や住民税での税優遇措置が置かれています。
他の所得控除と異なり、所得税と住民税で仕組みが違うので注意が必要です。

◆所得税関係の制度
1.寄附金控除(所得税)
 
(1)適用要件
    特定寄附金を支出した場合

 (2)控除額
    特定寄附金の額(注)- 2,000円=寄附金控除
   (注)総所得金額等の40%が限度です。

 (3)添付書類
    寄附をしたことを証明する領収書等その他一定の書類を確定申告書に添付する
   必要があります。

 (4)確定申告
    寄附金控除は年末調整ではできません。確定申告をする必要があります。

 (5)特定寄附金
   ①国または地方公共団体に対する寄附金
   ②指定寄附金(独立行政法人、公益社団法人、公益財団法人等に対する寄附金の
    うち財務大臣が指定したもの)
   ③特定公益増進法人に対する寄附金(日本学生支援機構、日本赤十字社、社会福祉
    法人、一定の学校法人等に対する寄附)で一定のもの
   ④認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)に対する寄附金で一定のもの
   ⑤政党等に対する寄附金で公職選挙法により報告されたもの
   ⑥特定公益信託の信託財産とするための寄附金で一定のもの
   ⑦特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の株式の取得に要した金額
    (1千万円限度)
   
   なお、学校の入学に関するものや同窓会に対するものは対象となりません。

 (6)留意事項
   ①寄附として手形を振り出した場合
     寄附金は現実に支出された時点で寄附金控除の対象とされますので、手形を振り
    出した場合は、その手形が決済された年に寄附金控除を受けることになります。

   ②学校に対する寄附金
     学校に対する寄附金は入学に関するものを除いては、公立、私立を問わず原則とし
    て寄附金控除の対象になります。
     私立学校については
    イ.学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、盲学校
      、聾学校、養護学校、幼稚園
    ロ.学校教育法に規定する専修学校で一定の要件を満たすもの
     をいいます。私立でも自動車学校、洋裁学校、予備校等は対象となりません。
     私立学校に対する寄附金につき控除を受けるためには、確定申告書に
    ・学校法人の業務に関連する寄附金である旨・受領した旨の証明書
    ・所轄庁の発行した学校法人である旨の証明書の写し(寄附金支出前5年以内に
     発行されたものに限る) を添付する必要があります。

   ③お寺に対する寄附
     お寺に対する寄附金は、財務大臣が特定寄附金に該当する旨の指定をしている
    場合を除き、原則として寄附金控除の対象となりません。

2.政党等寄附金特別控除制度(所得税)
   政党等に対する寄附については、所得控除の寄附金控除と選択で税額控除の政党等
  寄附金特別控除を適用することもできます。
 (1)税額控除の計算
   ①(その年中に支払った政党等に対する寄附金(注1)-2,000円(注2))×30%
     (注1)総所得金額等の40%が限度になります。(寄附金控除の適用を受ける特定寄
        附金がある場合には、合わせて総所得金額等の40%が限度です)
     (注2)寄附金控除の適用を受ける特定寄附金がある場合には、2,000円から特定寄
        附金の額を控除した残額となります。
   ② 所得税額×25%(認定NPO法人の寄附金税額控除とは別枠)
   ③ ①と②のいずれか少ない方が所得税額から控除されます。
 
 (2)対象となる寄附金 
    政党又は政治資金団体に対する政治活動に関する寄附金で政治資金規正法の
   規定による報告書により報告されたものをいいます。
 
 (3)必要書類
    総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会等の確認印のある「寄附金(税額)控除の
   ための書類」を確定申告書に添付する必要があります。「寄附金(税額)控除のための
   書類」が確定申告に間に合わないときは、とりあえず「寄附金の領収書(写し)」のみを
   添付して申告を行い、後日「寄附金(税額)控除のための書類」を提出すればOKです。

 (4)留意事項
   ①政治資金パーティーのパーティー券
     政治資金パーティーのパーティー券の購入費用は寄附金控除等の対象にはなりま
    せん。
   ②政党の党費、後援会の会費
     政党の党費や後援会の会費は寄附金控除等の対象になりません。
   ③労務や事務所の無償提供
     政治活動に関し、労務や事務所の無償提供については寄附金控除等の対象になりま
    せん。

3.認定NPO法人に対する寄附金(所得税)
   認定NPO法人に対する寄付については、所得控除の寄附金控除と選択で税額控除
  を適用することもできます。

 (1)税額控除の計算
   ①(その年中に支払った認定NPO法人に対する寄附金(注1)-2,000円(注2))×40%
     (注1)総所得金額等の40%が限度になります。(寄附金控除の適用を受ける特定寄
        附金がある場合には、合わせて総所得金額等の40%が限度です)
     (注2)寄附金控除の適用を受ける特定寄附金がある場合には、2,000円から特定寄
        附金の額を控除した残額となります。
   ② 所得税額×25%(政党等の寄附金税額控除とは別枠)
   ③ ①と②のいずれか少ない方が所得税額から控除されます。

 (2)必要書類
    寄附金の領収書、寄付金控除の適格団体であることの証明書または認定証の写し
   (多くの場合領収書と一体になっています)を確定申告書に添付する必要があります。

◆住民税関係の制度

4.寄附金税額控除(住民税)
  
住民税には、所得控除としての寄附金控除はなく、代わりに税額控除の制度が置かれ
 ています。

 (1)適用要件
    控除対象寄附金を支出した場合
 
 (2)税額控除額
   (控除対象寄附金(注)-2,000円)×10%
   (注)総所得金額等の30%が限度です。

 (3)手続き
    所得税の確定申告書に寄附金に関する事項を記載すればOKです。

 (4)控除対象寄附金の範囲
   ①都道府県、市町村に対する寄附金(寄附先は納税者の住所地でなくても可)
   ②納税者の住所地の都道府県共同募金会への寄附金(赤い羽根、歳末助け合い等)
   ③納税者の住所地の日本赤十字社都道府県支部に対する寄附金で、災害救護設備
    の整備等、総務大臣の承認を得たもの
   ④所得税の特定寄附金(国や政党等に関するものを除く)のうち各都道府県、市町村
    の条例で定めるもの

5.ふるさと納税(住民税)
  
都道府県や市町村に対し2千円を超える寄附をした場合には通常の住民税の寄附金税
 額控除に加えて特例控除が認められます。この特例控除は通称「ふるさと納税」と呼ばれ
 ます。

 (1)適用要件
    都道府県、市町村に対して2千円を超える寄附をした場合

 (2)税額控除額
   ①(控除対象寄附金(注)-2,000円)×(90%-所得の限界税率)
     (注)総所得金額等の30%が限度です。
   ② 住民税所得割額×10%
   ③ ①と②のいずれか少ない方が「4.寄附金税額控除」にプラスされます。

 (3)計算例
    給与収入700万円で夫婦子2人の納税者(所得税の限界税率10%、住民税所得割額
   293,500円)が都道府県に対し40,000円の寄附をした場合

   ①住民税の寄附金税額控除
     イ (控除対象寄附金40,000円-2,000円)×10%=3,800円
     ロ (控除対象寄附金40,000円-2,000円)×(90%-所得税率10%)=30,400円
     ハ イ+ロ=34,200円
   ②所得税の寄附金控除の効果
    (40,000円-2,000円)×所得税率10%=3,800円
   ③トータルでの節税額
     ①+②=38,000円

 (4)留意点
    寄附をする都道府県、市町村は、納税者の出身地や過去の居住地などに限定されず
  、基本的にどこに対する分でもOKです。複数の都道府県、市町村に対して寄附をした場
  合はその合計額が税額控除の対象となります。

◆東日本大震災関係の制度

6.震災関連寄附金
  
東日本大震災に係る義援金等を支出した場合には、次の特例が適用されます。
 
 (1)寄附金控除(所得税)
   ①震災関連寄附金
    イ.国または著しい被害が発生した地方公共団体へ直接寄附した義援金等
    ロ.日本赤十字社の「東日本大震災義援金」口座へ直接寄附した義援金、新聞・
      放送等の報道機関に対して直接寄附した義援金等で最終的に国や地方公共
      団体へ拠出されるもの
    ハ.社会福祉法人中央共同募金会の「東日本大震災義援金」として直接寄附した
      義援金等
    ニ.社会福祉法人中央共同募金会の「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」
      として直接寄附した義援金等
    ホ.認定NPO法人に対し東日本大震災の被災者支援活動に特に必要な費用に充
      てるために行った寄附金(募集に際し国税局長の確認を受けたものに限る)
    ヘ.公益社団法人又は公益財団法人に対し東日本大震災の被災者支援活動に特に
      必要な費用に充てるために行った寄附金(募集に際し公益社団法人等に係る行
      政庁の確認を受けたものに限る)
    ト.公共・公益法人等に対し、東日本大震災により滅失又は損壊をした建物等(収
      益事業以外の事業の用に専ら供されていたものに限る)の原状回復に要する費
      用に充てるために行った寄附金(募集に際し公共・公益法人等に係る主務官庁
      の確認を受けたものに限る)
    チ.全国商工会連合会、日本商工会議所に対し東日本大震災により被害を受けた地
      域を地区とする商工会等や商工会議所が全国商工会連合会、日本商工会議所の
      策定した計画に基づき行う一定の事業に要する費用に充てるために行った寄附金
    リ.公益財団法人ヤマト福祉財団に対し東日本大震災により被害を受けた地域にお
      ける農業・水産業等の産業の基盤の整備又は生活環境の整備により地域の復旧
      及び復興を図る事業に要する費用に充てるために行った寄附金
    ヌ.上記以外で寄附した義援金等が、募金団体を通じて最終的に国又は地方公共団
      体に拠出されることが明らかであるもの

  ②寄附金控除の計算
   (震災関連寄附金+その他の特定寄附金(注1))-2,000円=寄附金控除
              (注2)
    (注1)その他の特定寄附金は総所得金額等の40%が限度です。
    (注2)震災関連寄附金とその他の特定寄附金の合計は課税標準の80%が限度です。

 (2)特定震災関連寄附金税額控除(所得税)
    上記(1)①震災関連寄附金のニ、ホに該当する寄附をした場合には、所得控除の制
   度に替えて税額控除の制度をとることもできます。

   ① (震災関連寄附金のうちニ・ホ(注)-2,000円)×40%
    (注)震災関連寄附金のうちニ・ホは総所得金額等の80%が限度です。
   ② 所得税額×25%
   ③ ①と②のいずれか少ない方が所得税額から控除されます。

 (3)必要書類
    寄附金控除(所得控除)の適用を受ける場合には、国や地方公共団体の採納証明書、
   領収書、受領証、募金団体が発行する預り証などの義援金を支出したことの証明書を
   確定申告書に添付する必要があります。
    寄附金税額控除の適用を受ける場合には、その寄附金を受領した法人が発行した
   その寄附金が被災者支援活動の資金に充てられるものである旨、その寄附金等の
   額、受領年月日等の記載をした受領証を確定申告書に添付する必要があります。

税理士 名古屋/名古屋市千種区の税理士法人スプラウト

 

 

 

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