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繰延資産(所得税)

1.所得税法上の繰延資産の範囲
 
 (1)会計上の繰延資産(2種類限定)
 
   ①開業費
    不動産所得事業所得、山林所得を生ずべき事業を開始
      するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用
 
   ②開発費
    新たな技術若しくは経営組織の採用、資源の開発又は市場の
    開拓のために特別に支出する費用
 
 (2)税法独自の繰延資産
 
    次の費用のうち支出の効果が1年以上に及ぶものをいいます。
   ①自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置費用
   ②資産を賃借等するために支出する権利金等の費用
   ③役務の提供を受けるために支出する権利金等の費用
   ④広告宣伝用資産を贈与したことにより生ずる費用
 
 
2.繰延資産の償却
 
 (1)会計上の繰延資産
 
   繰延資産の額の範囲内で任意に必要経費に算入できます。
  (支出事業年度に全額必要経費算入できます)
 
 (2)税法独自の繰延資産
 
   繰延資産の額×その年の業務期間月数(注)/支出の効果の及ぶ期間の月数
 
  (注)支出した年は、原則として支出日から年末までの月数で計算
    しますが、固定資産を利用するための繰延資産は、支出日と
    建設着手日の遅い日から計算します。
 
 (3)少額繰延資産
 
   税法独自の繰延資産の額が20万円未満の場合は、全額を
   支出年分の必要経費に算入します。
   なお、20万円未満かどうかの判定は、一の設置計画や契約等
   ごとに判定するものとし、分割払いしているときは総額で
   判定します。
 
 
3.償却期間
 
  税法独自の繰延資産の償却期間(=支出の効果の及ぶ期間の月数)
  は次のとおりです。
 
 (1)公共的施設・共同的施設の設置等負担金
 
   ①公共的施設(道路、堤防、橋等の負担金)
    イ.負担者専用・・・耐用年数×70%
    ロ.その他・・・耐用年数×40%
 
   ②共同的施設(アーケード、同業者団体の会館等)
    イ.負担者の共同の用・・・耐用年数×70%
     (協会等の本来の用に供される会館等は10年と比べて少ない方)
    ロ.その他・・・耐用年数と5年を比べて少ない方
 
   (注1)1年未満の端数は切り捨て。
 
   (注2)街路の簡易舗装、街灯、がんぎ等の簡易施設で、主として
      一般公衆の便益に供されるものに充てられる負担金は
      全額を支出年分の必要経費に算入できます。
 
 (2)借家権利金等
 
   ①内容
    建物を賃借する際の権利金、礼金、保証金等の返還されない
    ことが明らかな部分は繰延資産になります。
    敷金等の返還される部分は繰延資産とはしません。
    不動産業者への仲介手数料は全額必要経費に算入します。
 
   ②償却期間
    (原則)5年
    (例外)契約期間が5年未満で、更新時に再び権利金の
       支払を要することが明らかな場合は契約期間。
 
 (3)ノーハウの頭金
 
   ①内容
    フランチャイズの加盟料など、ノーハウの設定契約に際して
    支出する一時金・頭金の費用。
 
   ②償却期間
    (原則)5年
    (例外)有効期間が5年未満で、更新時に再び一時金の
       支払を要することが明らかな場合は有効期間。
 
 (4)広告宣伝用資産の贈与費用
 
   ①内容
    製品等の広告宣伝のために、特約店等に広告宣伝用の看板
    どん帳、陳列棚、自動車等を贈与・低額譲渡した費用。
    繰延資産となるのは次の金額です。
     1)贈  与・・・その資産の取得価額
     2)低額譲渡・・・その資産の取得価額-対価の額
 
   ②償却期間
    耐用年数×70%と5年のいずれか少ない方
 
 (5)同業者団体等の加入金
 
   ①内容
    同業者団体等に支出した加入金(他に譲渡できるものを除く)
 
   ②償却期間
    5年
 
 
4.分割払いの繰延資産
 
  繰延資産となる支出を分割払いした場合は次のように取扱います。
 
 (1)原則
    その年に支払ったものを繰延資産として償却する。
 
 (2)短期分割払いの特例
    分割期間がおおむね3年以内の場合は未払金経理により
    総額を繰延資産として償却することができます。
 
 (3)長期分割払いの特例
    公共的施設・共同的施設の負担金で次の3要件を満たすものは
    支出した都度、その支出年分の必要経費に算入することができます。
   ①分割期間≧償却期間
   ②分割額がおおむね均等
   ③工事着工後に負担金の徴収開始
 
5.繰延資産の留意事項
 
 (1)ホームページの製作費用
    ホームページの製作費用は、原則として支出時の必要経費
    となりますが、支出の効果が明らかに支出の日以後1年以上に
    及ぶと認められる場合は、繰延資産となります。
 
 (2)開業費の償却のタイミング
    Q  開業費(繰延資産)を開業から数年経ってから全額必要経費に
     することは認められるのでしょうか?
 
   A  認められます。開業費は繰延資産の額の範囲内で任意に
     必要経費に算入することができるため、支出後どのタイミング
     で必要経費に算入しても大丈夫です。
 
 (3)少額繰延資産の判定と消費税
   Q  支出額が20万円未満の少額繰延資産に該当するかどうかを
     判断する際に、消費税の額は含めて考えるのでしょうか、それとも
     除いて考えるのでしょうか?
 
   A  消費税の経理をどのようにしているかで取扱いが異なります。
    ・税込経理をしている場合・・・税込金額で判定します。
    ・税抜経理をしている場合・・・税抜金額で判定します。
 
 (4)プライバシーマークの審査料及び使用料の取扱い
   Q  プライバシーマークを使用するにあたり下記の費用を支出しました。
     それぞれの費用の取扱いを教えてください。
    ①申請料・審査料
    ②プライバシーマークの使用料(2年分)
 
   A  ①申請料・審査料は全額支出時の必要経費に算入します。
      ②2年分の使用料は繰延資産として取扱います。
 
 
 
税理士 名古屋/名古屋の税理士法人スプラウト
 
 
 
 

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