スタッフみんなで日々の出来事をつづっています。

予定納税(所得税)

1.予定納税とは?

前年の所得税額が一定額以上の場合に、当年の所得税額を一部前払いする
必要があります。これを予定納税といいます。

2.予定納税が必要な場合

予定納税基準額(注)が15万円以上の場合

(注1)予定納税基準額=前年分の所得税額-前年分の源泉所得税額

(注2)その年の6月30日の現況で、居住者又は事業等を有する
非居住者でない場合は、予定納税の必要はありません。

3.予定納税額と納期限

(1)第1期

①納期限
7月1日~7月31日

②予定納税額
予定納税基準額×1/3

(2)第2期

①納期限
11月1日~11月30日

②予定納税額
予定納税基準額×1/3

4.予定納税の減額申請

(1)考え方

その年の申告納税見積額が、予定納税基準額に満たないと
見込まれる場合には、税務署長に対し予定納税額を減額す
る申請をすることができます。

(2)一般の減額申請の手続き

①第1期分から減額する場合

その年6月30日の現況による申告納税見積額が予定納税基準額に
満たないと見込まれる場合には、7月15日までに
「予定納税の減額承認申請」を行うことができます。

②第2期分から減額する場合

その年10月31日の現況による申告納税見積額が予定納税基準額に
満たないと見込まれる場合には、11月15日までに
「予定納税の減額承認申請」を行うことができます。

(3)税務署長の処分

納税者から予定納税額の減額承認の申請があった場合
税務署長は、この申請のあった申告納税見積額をそのまま
承認するか、又は独自に定めて納税者に通知します。

なお、次のいずれかに該当する場合には、税務署長は
承認しなければならないことになっています。

①申請に係る申告納税見積額の計算の基準となる日までに
生じた事業の全部若しくは一部の廃止等、失業、災害、盗難
、横領による損害を受けたり、又は医療費を支払ったりしたため
同日の現況により計算した申告納税見積額が予定納税基準額に
満たなくなると認められるとき。

②①の他、申請に係る申告納税見積額の計算の基準となる日の
現況において、申請に係る申告納税見積額が計算の基礎となった
予定納税基準額又は申告納税見積額の70%以下になると
認められるとき。

(4)災害減免法による減額承認申請

その年7月1日以降に、災害により住宅や家財に損害を受けた場合で
その損害額が住宅や家財の時価の2分の1以上であり
その年分の合計所得金額の見積額が1000万円以下
のときは、災害のあった日から2月以内に予定納税額の
減額申請をすることができます。

なお、災害を受けた日が7月1日から7月31日までの間
であるときは第1期の予定納税額から、8月1日から12月
31日までの間であるときは第2期の予定納税額のみが
減額の対象となります。

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家内労働者等の所得計算の特例

家内労働者(内職)等が受ける報酬等については
事業所得又は雑所得として、報酬等から実額の必要経費を
控除した金額が課税対象となるが、給与所得者との
課税の均衡を考慮して、家内労働者の必要経費についても
最低65万円の控除が認められています。

1.家内労働者等とは?
(1)家内労働者(注)

(注)家内労働者とは、物品の製造や加工、改造、修理、浄洗、選別
    包装、解体、販売又はこれらの請負を業とする者から、主として
    労働の対償を得るために、その業務の目的物たる物品について
    委託を受けて、物品の製造や加工、改造、修理、浄洗、選別、包装
    解体に従事する者であって、その業務について同居の親族以外の
    者を使用しないことを常態とするものをいいます。

(2)外交員

(3)集金人

(4)電力量計の検針人

(5)特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを
    業務とする者


2.内容
   家内労働者等が事業所得又は雑所得を有する場合に
   必要経費に算入すべき金額は、次のいずれか多い金額と
   することができます。

(1)65万円(給与所得の計算上控除された金額を除く)

(2)事業所得又は雑所得に係る実額経費の額


3.具体例
 (例)給与収入30万円、内職収入40万円(実額経費10万円)
     ①給与所得
       給与収入30万円-給与所得控除65万円<0
     ②雑所得
       総収入金額40万円-※35万円=5万円

      ※実額経費10万円<65万円-30万=35万円 ∴35万円


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雑損失の繰越控除

雑損控除の対象となる損失が足切限度額を超える場合には
その年の雑損控除は足切限度額までしか受けられませんが
控除しきれなかった金額は、翌年以後3年間にわたって
繰越控除が認められます。
 
1.雑損失の金額とは?
 
  雑損失の金額とは、雑損控除の対象となる損失の金額が足切限度額を
  超える場合におけるその超える部分の金額をいいます。
  つまり「雑損控除額」のことです。
 
2.内容
 
  雑損失の金額のうち、損失発生年の課税標準から控除しきれない部分の
  金額(雑損控除しきれなかった金額)は、その損失発生年の翌年以後
  3年間にわたって繰越して、課税標準の計算上控除します。
 
 (注)雑損失の繰越控除は、青色申告、白色申告に関係なく適用できます。
 
 
3.控除の順序
 
(1)2以上の年に生じた雑損失の金額は、これらのうち最も古いものから
   順次控除します。
 
(2)雑損失の金額は、次の順序で控除します。
 
   総所得金額→短期譲渡→長期譲渡→株式等→山林所得退職所得
 
(3)純損失の繰越控除との関係
 
  同一の年に生じた純損失の金額と雑損失の金額があるときは、
   まず純損失の金額を控除し、次に雑損失の金額を控除します。
  
 
4.申告要件
 
  雑損失の繰越控除の規定は
  雑損失が発生した年の確定申告書を提出期限までに提出し、かつ
  その後連続して確定申告書を提出している場合に限って適用されます。
  損失発生年分は期限内申告が要件ですが、その後は期限後申告でも
  大丈夫です。
 
 
 
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平均課税

変動性の強い所得(変動所得)や臨時的に発生する所得(臨時所得)
については税負担の緩和を図るために平均課税の方法による
所得税額の計算が認められています。


1.平均課税の対象となるもの

  平均課税の対象となる所得には変動所得と臨時所得があります。

(1)変動所得とは?

   年々の変動の著しい所得のうち次のものをいいます。

  ①漁獲又はのりの採取から生ずる所得

  ②はまち、まだい、ひらめ、かき、うなぎ、ほたて貝又は真珠
   (真珠貝を含む)の養殖から生ずる所得

  ③原稿又は作曲の報酬に係る所得

  ④著作権の使用料(印税)に係る所得

  (注)変動所得は、事業所得又は雑所得の中に含まれています。

(2)臨時所得とは?

   臨時に発生する所得のうち次のものその他これらに類する所得をいいます。

  ①3年以上の期間一定の者に専属して役務の提供をすることを
   約することにより一時に受ける契約金で、その金額が契約による
   報酬年額の2倍以上であるものに係る所得

  ②3年以上の期間他人に不動産等、工業所有権などを使用させることを
   約することにより一時に受ける権利金等で、その金額がこれらの資産の
   使用料年額の2倍以上であるものに係る所得(譲渡所得に該当するものを除く。)

  ③業務の全部又は一部を休止、転換又は廃止することとなった者等が、
   その業務に係る3年以上の期間の不動産所得事業所得又は雑所得
   補償として受ける補償金に係る所得

  (注)臨時所得は、不動産所得事業所得又は雑所得の中に含まれている。


2.変動所得の金額・臨時所得の金額の計算

(1)変動所得の金額

   変動所得に係る総収入金額-その必要経費-青色申告特別控除(注)

(2)臨時所得の金額

   臨時所得に係る総収入金額-その必要経費-青色申告特別控除(注)

  (注)この場合の青色申告特別控除は次のように計算します。

     青色申告特別控除×B/A(分数式は1が限度です)

     A:青色申告特別控除前の不動産所得又は事業所得
     B:変動所得又は臨時所得


3.平均課税の適用の有無の判定

  平均課税は次の要件を満たした場合に適用があります。

  その年分の変動所得(注)+その年分の臨時所得≧総所得金額×20%

 (注)その年分の変動所得の注意点
   ①その年分の変動所得が赤字の場合
    → 変動所得について平均課税の適用はありません。
      (臨時所得の金額のみで判定します)

   ②その年分の変動所得が前年及び前々年の変動所得の平均額以下の場合
    → 変動所得について平均課税の適用はありません。
      (臨時所得の金額のみで判定します)


4.平均課税対象金額

(1)その年分の変動所得-前年・前々年の変動所得の合計×1/2
   (マイナスの場合はゼロとします)

(2)その年分の臨時所得

(3)(1)+(2)=平均課税対象金額


5.平均課税による税額計算
(1)調整所得金額に対する税額
  ①調整所得金額

   課税総所得金額-平均課税対象金額×4/5=調整所得金額

  (注)課税総所得金額≦平均課税対象金額の場合
     課税総所得金額×1/5=調整所得金額

  ②税額
   調整所得金額×超過累進税率=調整所得金額に対する税額

(2)特別所得金額に対する税額
  ①特別所得金額

   課税総所得金額-調整所得金額=特別所得金額

  ②税額

   特別所得金額×平均税率(注)=特別所得金額に対する税額
    (注)平均税率=調整所得金額に対する税額/調整所得金額
      (小数点2位未満切捨)



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純損失の繰越控除

損益通算後もなお残っている損失(純損失)については
翌年以後3年間の繰越控除が認められています。
 
1.純損失の金額とは?
  
  純損失の金額とは、損益通算の対象となる損失の金額のうち
  損益通算しても控除しきれない部分の金額をいいます。
 
 
2.内容
 
(1)青色申告をした年に生じた純損失
 
   純損失の額を全額、翌年以後3年間にわたって繰越し、
   課税標準の計算上控除します。
 
(2)白色申告をした年に生じた純損失
 
   純損失の金額のうち「変動所得の損失の金額」と
  「被災事業用資産の損失の金額」のみを、翌年以後3年間
     にわたって繰越し、課税標準の計算上控除します。
 
 
3.控除の順序
 
(1)純損失の金額は最も古い年に発生したものから順次控除します。
 
(2)純損失の金額は下記の順序で控除します。
 
  ①不動産所得事業所得譲渡所得から生じた純損失
 
   総所得金額 → 山林所得 → 退職所得
 
  ②山林所得から生じた純損失
   山林所得 → 総所得金額 → 退職所得
 
 
4.申告要件
 
  純損失の繰越控除の適用を受けるためには
  純損失の金額が発生した年分の確定申告書を
  申告期限内に提出し、かつ、その後において
  連続して確定申告書を提出していることが
  要件になります。
 
 (注)損失発生年の確定申告は期限内でなければ
   なりませんが、繰越控除を受ける年については
   期限後申告でもOKです。
 
 
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山林所得

1.山林所得とは?
 
  山林所得とは、山林の伐採又は譲渡による所得をいいます。
  ただし、山林をその取得の日以後5年以内に伐採し又は譲渡すること
  による所得は事業所得又は雑所得になります。
 
 (注1)山林の伐採又は譲渡による所得
 
     山林を伐採して譲渡したことによる所得又は山林を伐採しないで
     譲渡したことによる所得をいいます。
 
 (注2)山林とともに土地を譲渡した場合
 
     山林を土地とともに譲渡した場合には、その土地の譲渡
     による所得は譲渡所得となります。
 
 
2.山林所得の金額
 
  総収入金額-必要経費-特別控除(50万円)-青色申告特別控除(10万円)
 
 (注1)総収入金額の計上時期
    ① 原則 → 山林の引渡日
    ② 特例 → 譲渡契約の効力発生日
 
 (注2)必要経費
 
     譲渡した山林について、これまでにかかった費用の累積額
 
    ①原則(昭和28年以後取得の山林)
     植林費+取得に要した費用+管理費育成費等+伐採費・譲渡費用
 
    ②昭和27年以前に取得した山林の特例
     イ.昭和28年1月1日における相続税評価額
     ロ.昭和28年以後に支出した山林の育成・譲渡に要した費用
     ハ. イ + ロ = 必要経費
 
    ③概算経費
     その年の15年前の年の年末以前から引き続き所有していた
     山林の必要経費は、次の算式により計算した金額とすることが
     できます。
    (収入金額-伐採費等)×50%+伐採費等
 
    ④必要経費まとめ
 
     必要経費の適用関係をまとめると以下のとおりです。
 
      取得時期      必要経費
      S27以前     ② or ③
      S28~H9     ① or ③
      H10~        ①
 
 (注3)青色申告特別控除
     山林所得の青色申告特別控除は、最高10万円です。
     仮に山林所得以外に事業所得があり、事業所得の方で
     10万円を超える青色申告特別控除を適用している場合には
     山林所得の青色申告特別控除額はゼロとなります。
 
 
3.課税方法
 
  分離課税となり、5分5乗方式により所得税が課税されます。
 
 
4.非課税とされるもの
 
  次の場合は、非課税となります。
 
(1)資力を喪失し債務の弁済が著しく困難な場合における
     強制換価手続による譲渡をした場合
 
(2)国、地方公共団体等に対し山林を贈与又は遺贈した場合
  (事業所得の基因となるものを除きます。)
 
(3)相続税納付のために山林所得の基因となる山林を物納した
   ことによる所得
 
 
5.山林の資産損失
 
(1)内容
   災害、盗難、横領により、山林について生じた損失の金額は
   損失発生年分の必要経費に算入します。
 
(2)損失額の計算
   ① - ② - ③ = 必要経費算入額
 
   ① 損失発生時までに支出した植林費、管理費、育成費等
   ② 損失発生直後の時価
   ③ 廃材価額+保険金等の額
 
(3)保険差益等の取扱い
   山林について資産損失額を超える保険金、損害賠償金等を
   受けた場合には、総収入金額に算入します。
 
 
6.山林を譲渡した場合の所得と資産損失の関係
 
(1)保有期間5年以内
  ①事業的規模
   ・譲渡の場合の所得:事業所得
   ・資産損失の帰属:事業所得
 
  ②事業的規模以外
   ・譲渡の場合の所得:雑所得
   ・資産損失の帰属:山林所得
 
(2)保有期間5年超
   ・譲渡の場合の所得:山林所得
   ・資産損失の帰属:山林所得
 
 
7.その他の留意事項
 
(1)果樹園の譲渡による所得は山林所得になる?
 
   山林所得の対象となる山林とは「用材林、薪炭林として集団的に
   生育している樹木」と解されています。
   果樹については山林にはあたらないため、果樹の譲渡による
   所得は山林所得ではなく、譲渡所得となります。
 
(2)自己所有の山林を伐採して自宅を建築した場合
 
   自己所有の山林を伐採して自宅を建築するための資材にあてた
   場合には、自家消費があったものと考えますので、消費時点の
   時価を山林所得の総収入金額に算入します。(保有期間5年超の場合)
   保有期間5年以下の場合は、事業所得又は雑所得の総収入金額に
   算入します。
 
 
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居住用財産の譲渡損失の特例

土地建物を譲渡した場合の譲渡損の金額は原則として損益通算
純損失の繰越控除の対象となりませんが、居住用財産を譲渡した
場合の譲渡損の金額については一定の要件のもと、損益通算
繰越控除が認められます。
 
1.概要
 
  居住用財産の譲渡損失には、2つの制度がおかれています。
 
(1)居住用財産の譲渡損失の特例(措法41の5)
   → 一定の買換えをした場合
 
(2)特定居住用財産の譲渡損失の特例(措法41の5の2)
   → 譲渡対価を上回る住宅ローン残高がある場合
 
  (注)居住用財産とは?
 
     ①現に居住の用に供している家屋
 
     ② ①とともに譲渡されるその敷地
 
    ③ 次に掲げる家屋又はその敷地で、その居住用家屋が居住の
       用に供されなくなった日以後3年を経過する日の属する年の
       年末までに譲渡されたもの。
 
    イ.居住の用に供されなくなった①の家屋
 
    ロ.イ.とともに譲渡されるその敷地
 
    ハ.災害により滅失した居住用家屋の敷地
 
 
2.損益通算の特例
  
   次の(1)又は(2)に掲げる譲渡損失額は、他の各種所得の金額
  損益通算することができます。
 
(1)居住用財産の譲渡損失の金額(措法41の5)
 
  ① 譲渡資産
 
    所有期間5年超の居住用財産
 
   (注1)所有期間は取得日から譲渡年の1月1日までで考えます。
 
   (注2)住宅ローンの有無は問いません。
 
  ② 買換資産
 
    イ.床面積50㎡以上の居住用家屋・その敷地で国内にあるものを
      取得し、居住の用に供すること
 
    ロ.買換資産取得年の年末において、買換資産に係る償還期間10年
      以上の住宅ローンを有すること。
 
  ③ 損益通算の対象となる譲渡損失
 
    ①の譲渡資産を譲渡し②の買換資産を取得する買換えをしたことに
    より生じた譲渡損失の金額で、土地建物等の内部通算後の金額
 
(2)特定居住用財産の譲渡損失の金額(措法41の5の2)
 
  ① 譲渡資産
 
       所有期間5年超の居住用財産
 
   (注1)所有期間は取得日から譲渡年の1月1日までで考えます。
   (注2)譲渡契約締結日の前日において、譲渡資産に係る償還期間
            10年以上の住宅ローンを有すること。
 
  ② 買換資産
 
    要件はありません。
 
  ③ 損益通算の対象となる譲渡損失
 
    次のうちいずれか低い金額
   イ.①の譲渡資産を譲渡したことによる譲渡損失の金額で
         土地建物等の内部通算後の金額
   ロ.住宅ローンの残高-譲渡資産の譲渡対価の額
 
(3)適用除外
 
  ① 配偶者等特別の関係がある者に対する譲渡の場合
 
  ② 前年又は前々年に、居住用財産の課税の特例の適用を受けている場合
 
  ③ その年又は前年以前3年内に、これらの規定の適用を受けている場合
 
(4)損益通算の順序
 
  ① 総合課税の譲渡所得から、総合短期 → 総合長期の順で内部通算
 
  ② ①で控除しきれない損失は次の順序で損益通算
    イ.まず一時所得から控除
    ロ.残りは、経常所得 → 山林所得退職所得の順で控除
 
(5)損益通算しきれない場合
   一定の要件のもと、翌年以降3年間の繰越控除が認められます。
  (詳細は3を参照)
 
 
3.繰越控除の特例
 
  居住用財産の譲渡損失の金額や特定居住用財産の譲渡損失の金額が
  発生し、損益通算してもさらに残る場合には、翌年以降3年間に
  わたって、課税標準から控除することができます。
 
(1)内容
 
   通算後譲渡損失の金額は、損失発生年の翌年以後3年間にわたって繰越し
   一定の順序により課税標準の計算上控除する。
  
(注1)通算後譲渡損失の金額
    その年に生じた純損失の金額のうち、居住用財産の譲渡損失の金額
    又は特定居住用財産の譲渡損失の金額に係るものとして一定の方法に
    より計算した金額をいいます。
 
 (注2)青色申告、白色申告を問わず適用できます。
 
 (注3)居住用財産の譲渡損失に係るものは繰越控除を受ける年の年末に
     おいて、買換資産に係る住宅ローンの額があることが要件です。
 
(2)適用除外
 
   繰越控除を受けようとする年分の合計所得金額が3,000万円超のときは
   適用できません。
 
(3)控除の順序
 
  ①通算後譲渡損失の金額は、次の順序により控除します。
 
   長期譲渡所得 → 短期譲渡所得 → 総所得金額 → 山林所得退職所得
 
  ②前年以前3年内の一の年に生じた通算後譲渡損失の金額以外の
   純損失及び雑損失がある場合には、次の順序により控除します。
 
   その他の純損失 → 通算後譲渡損失 → 雑損失
 
 
 
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居住用財産の軽減税率

一定の居住用財産を譲渡した場合には軽減税率の適用が認められます。
 
1.適用要件
 
    所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合
 
 (注1)所有期間は取得日から譲渡年の1月1日までの期間で考えます。
 
 (注2)居住用財産とは下記のものをいいます。
 
      ① 現に居住の用に供している家屋
 
    ② ①とともに譲渡されるその敷地
 
    ③ 次に掲げる家屋又はその敷地で、その居住用家屋が居住の用に
     供されなくなった日以後3年を経過する日の属する年の年末までに
     譲渡されたもの。
 
     イ.居住の用に供されなくなった①の家屋
 
     ロ.イ.とともに譲渡されるその敷地
 
     ハ.災害により滅失した居住用家屋の敷地
 
   (注)③については居住の用に供されなくなった日から譲渡
      するまでの用途には制限がないため、貸付の用等に供して
      いても該当します。
 
    ④ 居住用家屋を取り壊し、その敷地のみを譲渡した場合には
      次の要件を全て満たすときは、居住用財産に該当するものとする。
 
     イ.譲渡契約を、家屋取壊日から1年以内に締結している。
 
     ロ.家屋を居住の用に供さなくなった日以後3年経過日の属する
       年の年末までに譲渡したものである。
 
     ハ.敷地は、家屋取壊後、譲渡契約締結日まで、貸付けその他の
       業務の用に供していない。
 
 (注3)居住用財産の3,000万円特別控除と重複適用できます。
 
 (注4)この適用を受けた場合には、住宅ローン控除は適用できません。
 
 
2.計算方法
 
(1)課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の場合
 
    課税長期譲渡所得金額×10%
 
(2)課税長期譲渡所得金額が6,000万円超の場合
 
    600万円+(課税長期譲渡所得金額-6,000万円)×15%
 
 
3.適用除外
 
(1)配偶者、直系血族、その他の同一生計親族など特別の関係が
   ある者に対して譲渡した場合
 
(2)交換の特例、優良住宅地等の特例、他の措置法の課税の繰延べの
   特例を受けた場合
 
(3)前年、前々年において、この規定の適用を受けている場合
 
 
4.居住用財産を譲渡した場合の適用関係
 
  居住用財産を譲渡した場合の適用関係をまとめると
  下記のようになります。
 
(1)所有期間10年超
 
   ① 特定の居住用財産の買換え等の特例の要件を満たす場合
    イ.買換え等の特例 + 通常税率15%
    ロ.3000万円特別控除 + 軽減税率10%(6000万超は15%)
    ハ.イとロのいずれかを選択
 
   ② 特定の居住用財産の買換え等の特例の要件を満たさない場合
     3000万円特別控除 + 軽減税率10%(6000万超は15%)
 
(2)所有期間5年超10年以下
 
   3000万円特別控除 + 通常税率15%
 
(3)所有期間5年以下
 
   3000万円特別控除 + 通常税率30%
 
 
 
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特定の居住用財産の買換え等の特例

 

一定の居住用の家屋や敷地を売却して、別の居住用の家屋や敷地に
買換えした場合には譲渡がなかったものとする、課税の特例措置が
置かれています。
 
 
1.居住用財産とは?
 
(1)現に居住の用に供している家屋
 
(2)(1)とともに譲渡されるその敷地
 
(3)次に掲げる家屋又はその敷地で、その居住用家屋が居住の用に
   供されなくなった日以後3年を経過する日の属する年の年末までに
   譲渡されたもの。
 
  ① 居住の用に供されなくなった(1)の家屋
 
  ② ①とともに譲渡されるその敷地
 
  ③ 災害により滅失した居住用家屋の敷地
 
 (注)(3)については居住の用に供されなくなった日から譲渡
       するまでの用途には制限がないため、貸付の用等に供して
       いても該当します。
 
(4)居住用家屋を取り壊し、その敷地のみを譲渡した場合には
   次の要件を全て満たすときは、居住用財産に該当するものとする。
 
  ① 譲渡契約を、家屋取壊日から1年以内に締結している。
 
  ② 家屋を居住の用に供さなくなった日以後3年経過日の属する
    年の年末までに譲渡したものである。
 
  ③ 敷地は、家屋取壊後、譲渡契約締結日まで、貸付けその他の
    業務の用に供していない。
 
 
2.適用要件
 
(1)譲渡資産を譲渡し、買換資産を取得し、かつ譲渡年の翌年12月31日
   までに居住の用に供した又は供する見込みであること。
 
(2)譲渡資産の要件
 
   次の①~③の要件を全て満たす居住用財産
  ①譲渡年の1月1日における所有期間が10年超
  ②居住期間が10年以上
  ③譲渡対価の合計額が2億円以下
 
  (注)土地・建物の一方の所有期間が10年以下の場合は
    適用できません。
 
(3)買換資産の要件
 
   居住の用に供する家屋・敷地で国内にあるもののうち次の
  ①と②の要件を満たすもの
  ①家屋の床面積が50㎡以上
  ②敷地の面積が500㎡以下
 
 
3.適用除外
 
(1)配偶者、直系血族、その他の同一生計親族など特別の関係が
   ある者に対して譲渡した場合
  (注)別生計の兄弟姉妹に対する譲渡は適用できます。
 
(2)以下の特例の適用を受ける場合
  ①収用等の特例
  ②特定の事業用資産の買換えの特例
  ③土地等を先行取得した場合の課税の特例
 
(3)贈与等による場合
 
(4)その年、前年、前々年において、他の居住用財産の特例の
     適用を受けている場合
  
 
4.課税上の取扱い
 
  買換えに係る譲渡損益については、認識されないようになっていますが
  買換えに充てられなかった対価に係る部分の譲渡損益は認識されます。
 
(1)譲渡資産の収入金額≦買換資産の取得価額
 
  ①譲渡所得の金額
   ゼロ(譲渡はなかったものとします)
 
  ②買換資産に付すべき取得価額
   (取得費+譲渡費用)+(買換資産の取得価額-譲渡資産の収入金額)
 
 
(2)譲渡資産の収入金額>買換資産の取得価額
 
  ①譲渡所得の金額
   イ.総収入金額
         譲渡資産の収入金額-買換資産の取得価額
   ロ.取得費・譲渡費用
     (取得費+譲渡費用)×イ/譲渡資産の収入金額
   ハ. イ-ロ=譲渡損益
 
  ②買換資産に付すべき取得価額
   (取得費+譲渡費用)×買換資産の取得価額/譲渡資産の収入金額
 
(3)買換資産が2以上ある場合の取得価額
   全体の付すべき取得価額×個々の資産の本来の取得価額
     /全体の本来の取得価額=個々の資産の付すべき取得価額
 
※  具体例
 1)譲渡資産
          譲渡対価   取得費   
  居住用家屋   500万円   1,000万円
  その敷地   3,500万円   1,500万円
   合計    4,000万円   2,500万円
  その他、譲渡経費を100万円支払っている。
 
2)買換資産
            取得価額
     居住用家屋  1,000万円
     その敷地   2,000万円
      合計    3,000万円
 
   この場合の譲渡所得等の計算は以下のとおりです。
 
   イ.譲渡所得の計算
     1)総収入金額
       譲渡収入4,000万円-買換資産3,000万円=1,000万円
     2)取得費・譲渡費用
      (取得費2,500万円+譲渡費用100万円)×1)/譲渡収入4,000万円
       =650万円
     3) 1)-2)=350万円
 
   ロ.買換資産に付すべき取得価額
     1)全体の付すべき取得価額
      (取得費2,500万円+譲渡費用100万円)×
            買換3,000万円/譲渡4,000万円=1,950万円
     2)家屋に付すべき取得価額
       1,950万円×家屋1,000万円/全体3,000万円=650万円
     3)敷地に付すべき取得価額
       1,950万円×敷地2,000万円/全体3,000万円=1,300万円
 
 
5.留意事項
 
(1)交換の場合
   譲渡資産と買換資産を買換えではなく交換した場合には、
   譲渡資産の時価で譲渡し、買換資産の時価で取得したものとみなして
   同様に計算します。
 
(2)住宅ローン控除との関連
   この特例の適用を受けた買換資産については、住宅ローン控除
   適用することができません。
 
(3)買換資産の取得時期
   この特例の適用を受けた後に、買換資産を譲渡した場合には
    実際の取得時期によって短期・長期の判定を行います。
 
 
 
税理士 名古屋/名古屋の税理士法人スプラウト
  
 

居住用財産の特別控除

居住用の家屋やその敷地を譲渡した場合には、
譲渡益から3000万円の特別控除が認められています。
 
1.適用要件
  
  次に掲げる居住用財産を譲渡した場合
 
(1)現に居住の用に供している家屋
 
(2)(1)とともに譲渡されるその敷地
 
(3)次に掲げる家屋又はその敷地で、その居住用家屋が居住の用に
   供されなくなった日以後3年を経過する日の属する年の年末までに
   譲渡されたもの。
 
  ① 居住の用に供されなくなった(1)の家屋
  ② ①とともに譲渡されるその敷地
  ③ 災害により滅失した居住用家屋の敷地
 
 
2.適用除外
 
(1)配偶者、直系血族、その他の同一生計親族など特別の関係が
   ある者に対して譲渡した場合
 
(2)以下の特例の適用を受ける場合
  ①交換の特例
  ②収用等の特例
  ③特定の事業用資産の買換えの特例
  ④土地等を先行取得した場合の課税の特例
 
(3)前年又は前々年において、この特例又は居住用財産の買換え等の
   特例の適用を受けている場合
  (この特例又は居住用財産の買換え等の特例は3年に一度適用がある)
 
 
 
3.取扱い
 
(1)控除
  課税所得金額の計算上、短期→長期の順序で3千万円を控除する。
 
(2)所得控除との関係
   居住用財産の特別控除の適用がある場合には、先に居住用財産の
   特別控除を適用し、その後に所得控除を適用する。
 
 
4.留意事項
 
(1)短期所有のものでも適用があります。
 
(2)居住用財産は国内に限定されていない。
 
(3)居住用家屋を取り壊し、その敷地のみを譲渡した場合には
   次の要件を全て満たすときは、居住用財産に該当する。
  ① 譲渡契約を、家屋取壊日から1年以内に締結している。
  ② 家屋を居住の用に供さなくなった日以後3年経過日の属する
    年の年末までに譲渡したものである。
  ③ 敷地は、家屋取壊後、譲渡契約締結日まで、貸付けその他の
    業務の用に供していない。
 
(4)居住用家屋の特別控除の適用を受けた場合は、住宅ローン控除
   適用はありません。
 
 
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